しろうからKへの公開書簡 #04/しろう
 
宇宙開闢がどのようにして起こったか及び宇宙はどこへ向かうのかを感得せずして生物が生命維持活動し続けることが可能であるとは僕にはどうにも考えられなくて、真実のところは脳に知識として無くとも命のどこかにしら記録されているに違いないはず。もしも仮にその記録が刻まれている場所がこの生命の裡に無いとするならば僕は、僕が世界を創ったんだから宇宙のことなんて知らなくてもまさにあるようにしてここに世界はあるんだ、ということの方が遥かに自然に受け入れられる。したがってKであるところの君も僕によって創造された被造物なのだと宣言しようものなら、きっと君はバスルームに入ったら靴下の足でナメクジを踏んでしまったような心持ち
[次のページ]
戻る   Point(0)