しろうからKへの公開書簡 #04/しろう
 
かく。いずれにせよここまで来たんだ。もう少しだけ上塗りをする。

おそらく誰しもこういう考えを持ったことがあるだろうと思うがそうそう「誰だって」とか「誰しも」とかいう言葉はとても簡易に他者を全体へと引きずり込むことができる魔性の言葉で甚だ便利ではあるのだが実際のところは発話者において自身の価値観をまるで全体性へと敷衍し得たかのような錯覚をもたらすだけのことが多いちなみに初段でも一度「誰だって」というのを使ったのでここで二度目の使用それは、この世界にはほんとうのところ自分自身しかいないんじゃないかという空想だ。そして決まって次にする空想は自分は他人の空想の産物で実際はどこにもいないんじゃないか、
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