雑記(メリーゴーランドの二人)/またたび八寸
なら、それが僕にとっては面白くそし
て幸福なのだと思う。妻の前屈みになった背中が、
ページをめくる音が、物理的な動作や音として僕に
作用し、メリーゴーランドはまわり、僕の出すキー
ボードの雑音が妻の髪を揺らしている。そのように
して僕は妻と日常を営んでいる。
詩について
バックパックを背負って一人旅に出るのではなく、
旅のラゴスや路上を読むことにした僕は他者の抽
出したものを与えてもらう方が、自分で見つけだ
すよりも遥かに効果的で信頼できる、世界の発見
の方法だと思っている。時々はそれを言葉にして
みて、楽しんではいるが、自分にとっての発見と
は要約すると〈
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