あしたのりんご/たま
 
に打ち明けようと思っていた。
「ね、かあさん、会ってみる?」 
「だれに?」
「私の彼氏……」
「いつ?」
「今日、これからよ」
「……」
「いやなの?」
「んー、きのうなら都合がいいんだけど……あたし」
「また、そんなへんなこと言って。ね、行きましょう」

 街中を抜けて海岸通りに出ると、彼が営む喫茶店があった。白い小さなお店は潮風に吹かれて、いつもハミングしていた。どうしても、まっすぐ家に帰りたくなかったあの日、私は初めてこのお店に車を止めた。そして、彼と出会った。
「いらっしゃい!」
 満面の笑みを浮かべて彼は、海の見える窓辺のテーブルに母を案内してくれた。
「ね
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