いい加減にしろ。/岩下こずえ
しているんだと思うんです。」
・・・そんなことはない。
おかしくなる時間がすぎる。ひとり、またひとりと、この店からでてゆく。かるいとびらをひらくと、そこにはまっしろな朝があって、ふつうの時間がはじまっている。通勤者たちは、あゆみをとめず、職場にむかっている。私はまっくらになってしまう。都営バスが、夜と私をいっしょにかき消すように、ブシューッと音をたてながら、去ってゆく。もういちど、まっくろになる。
「そこで私は、こう叫ぶのです。」
いったいどうすれば、本気で生きられるんだ! どうしたらいい!
「そうすると、目の前のひとは、怪訝そうな顔をするんです。なにを馬鹿なことを、とでも
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