四番目の息/宣井龍人
色の目が、少しずつ暗闇に輝きを増す。
恐怖を感じた私は、タンスを凝視せざるを得なかった。
ついには、得体の知れないからだが、絵画のように滲み出る。
さらには、たった今、命を与えられたかのように、からだの厚みを増していく。
枕元から見上げた私に見えるもの。
その醜さおぞましさに、私の心は目を逸らした。
黒頭巾と黒マントを被った小人。
背の高さは一尺程度、全身も黒色だろうか。
黒く歪んだ手足が、マントから微かに見え隠れする。
つりあがった瞳のない大きな目は、緑色に輝き、口は耳元まで裂けている。
真っ黒な顔には、眉も鼻も見えない。
裂けるように開いた黄色く輝く口。
彼
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