四番目の息/宣井龍人
 
ななかに生きていた。
貧しくも明日への希望を持っていた日々。
そして、夜の訪れとともに、死んだように眠るのだ。

その夜、私は妙に眠ることが出来なかった。
遅くまで働き続ける父母が寝床についている時間だ。
夜のしじまが辺り一面を覆っていた。
物音一つしない静寂の世界が、私たちを支配している。

そんな静寂を破って、得体の知れない何かが、階段を駆けずり回る音がした。
当時は名前も知らなかったが、妖精たちの乱舞ではないか、私は直感した。
疲れた人たちが寝静まった夜、悪戯っ子のように駆け回るのだ。

同時に、その夜には出かけていなかった祖母が呼ぶ声もした。
妖精たちが私をから
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