歩いても歩いても終わらない/ホロウ・シカエルボク
 
し先へ先へと物事を考えすぎる、また腹ばいになりつぎの廊下を目指した、角を折れて新しく目に入ってきた廊下も、それまでの廊下とまるで同じ造りだった、開きそうな窓もなかったし、中庭に降りられそうな出入口もなかった、おい、よしてくれよ、とおれは思いながら最後の辺を目指した、そこで見える世界もやはり同じだった、まてよ、とおれは思った、だったらおれは、どうやってここに入ってきたというんだ?おれはすこし混乱した、瞬間的に頭に浮かんだのは、子供のころに飲料水の空ビンに詰め込んだアマガエルのことだった、やつらは柔らかいから、小さな穴からでも放り込むことが出来るのだ、そして、取り出すことは出来ない―おれはそういうもの
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