ザッツ;泣き女/アラガイs
、忍耐や、堪忍や
と、しかし突然思い立つ衝動に
、我を見失ってしまったのか
…あなたは、これから何処へ
呼び止めようとしたが
すでにその姿は枝の垂れにはさまれ見えなくなっていた
…多くの人が待っている
わたしは東の迷宮へ行かなければならないの…
;
鬱蒼とした茂みから木漏れ日が射し込んでくる
染地の袋から水筒を取り出すと水を一口流し入れた
寺の井戸水は毎朝俗物から憂いを解き放してくれる
もっと潤いが欲しい
天狗衆徒の言うように、女は面を付けていたのだろう
これまで何を祈りながら修行してきたのか
和尚には悟られないように
ただそれだけを信じる素
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)