ミーナ/ホロウ・シカエルボク
 
またま取った行動だった、そこには、薄くかすれてはいたが、懐かしい文字で小さく名前が刻まれてあった、ミーナ、と、つたない文字で…そのとき、ケンが風呂を終えて出てきた、男が彼の荷物を見つめているので、少し変な顔をした、ああ、と男は言った、「乾かしてやろうとおもってね」ケンはほっとした様子で、そうですか、と答えた、男はケンに温かい飲物をすすめた、ケンは喜んでそれを飲んだ、「この嵐はこれからひどくなるよ」と男は言った、「毎年今頃に一度だけ来るんだ、我々は慣れっこだが、君のような旅行客が時々ひどい目に合うんだ」権は苦笑して、今年は僕だったわけですね、と言った、男は微笑んで、このあたりは初めてかね、と聞いた、
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