ミーナ/ホロウ・シカエルボク
 
割を果たしていたのだ、彼女の母親はその葬儀に出席することが出来なかった、あの瞬間以来すっかりふせってしまったのだ…「おかあさんいま忙しいから、しばらく外で遊んでらっしゃい」それが母親がミーナと最後に交わした言葉だった、ミーナは文句も言わず、素直に…あそこでどうして例えば、「二階でひとりで遊んでらっしゃい」とか、そういうふうに言えなかったのだろうか?軋む脳味噌を横たえながら母親はずっとそんな風に考えていた、父親は気丈に振舞ってはいたがやはり傷ついていて、あの日から一度も食事を取っていなかった、非常にやつれ、非常に疲弊していたが、彼はまだそのことに気づいては居なかった、母親が最後に言った言葉のことで自
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