ミーナ/ホロウ・シカエルボク
 





色褪せ、草臥れた雑草の中から、あの子の可愛い手の平が少しだけ覗いていて事態はようやく動き始めた、おとなたちが騒ぎ、こどもたちが泣き、見つけられた子の両親が呼ばれた、検査の結果残酷な行為の末に殺されていたことが判った、子供の母親は泣き崩れそのまま気を失った、殺されたのはその地方に住む八歳の女の子で、名前をミーナといった、ミーナの葬儀にはたくさんの友達と学校のおとなたち、それから彼女の死をくいものにしようと目論んでいる新聞記者たちとテレビ局の記者たちが押し寄せた、もちろんカメラを抱えた連中は決して中に入ることが出来なかった、彼女の親族の有志たちが集まって大人しい用心棒のような役割を
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