いくつもの視線、捨てられた詩篇、真夜中のキッチンの音のないモノローグ/ホロウ・シカエルボク
 
場所に転がり出る
一日は自分自身の死体の山で
明日の腐臭を嗅ぎながら時計の針がひと回りする
薄明かり差し込む部屋でアラームが時を告げるとき
死と生の混濁したたましいは
目覚めを拒否するような重いまぶたを
開く


捨てられた詩篇は
読めなくなってから詩情となる
生きているあいだ
特別何も成しえなかった
人間の葬式の席で初めて気づくそいつの価値のように
出来るかぎりのものを残しておけ
覚悟があるのなら
目に留まるあらゆるものに
自分のやり方を書いておけ
おしゃべりの好きな詩人の筆は
ろくに汚れたこともないとしたものさ


街の外れに立っている薄暗いマンショ
[次のページ]
戻る   Point(2)