いくつもの視線、捨てられた詩篇、真夜中のキッチンの音のないモノローグ/ホロウ・シカエルボク
安全に加工された
退化した顎でもなんなく噛み千切ることの出来る肉
それは連鎖しない
ブラウザでそれらしい言葉を検索にかければ
他人の死体なんていくらでも手に入る
イエロー・ホワイト・ブラックの異様な死様
毎晩だって眺めていられる
それが出来ている間は
生きているってコトだから
出来るかぎりアップにして
目の中を覗き込むのさ
白濁した眼球の自然的な色味は
高尚な詩よりもたくさんのことを教えてくれるぜ
目の中の色味を覗き込むんだ
本当は見たくてたまらないはずのものがその中には映っているのさ
死をくぐり
いくつもの死をくぐり
少しだけ居心地のいい場所
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