異動/葉leaf
 

      ――M.S.へ

あなたは私という小さなひずんだ円形を、余すことなく包みこむ大きな完璧な円形だった。ふたつの円の中心は、二人の性格の針によって異なる点を指していたが、私が囲っていない多くの光や闇を、あなたは既に自らの中に循環させていた。私はあなたの円に内接するために拡大を試みた。いつしか円は四角や三角、複雑な図形になって、あなたが円を破り手を伸ばしてくれて初めて私はあなたの線に絡みつくことができた。私はあなたに束の間に追いつき、再び大きく追い越されたのだった。

あなたが決して表現しなかった怒り、あるいは悲しみ、私はそれがあなたの表情の背後に表現以前の生々しい在り方で潜んで
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