異動/葉leaf
 
んでいるのがよく見えた。語られず直接見えてしまう怒りや悲しみは、なによりも私を戒めた。あなたの無言の戒めほど、人間的で優しさに満ちた戒めを私は知らない。この不文の一対一の規範こそが最も強力に私の思考を促した。あなたは教育者を気取らずとも、ただ内面も外面も優れているというそれだけのことで、ただ働く姿を見せるだけで、最も優れた教育をなし、最も優れた訓戒をなした。

私の努力を私自身が評価できないでいるとき、いわば評価の間隙に、あなたはすかさず私を評価し、間隙を正確に埋めていった。走るための根拠となるエネルギー自体を私はしばしば懐疑したが、その懐疑による暗雲をあなたは決まって微風のような言葉で吹き飛
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