ヘイヴン/ホロウ・シカエルボク
の終わり
ツー・トン
ツー・トン・ツー・ツー・ツー
ありとあらゆる人殺したちが
耳にしている血の滴りはきっと
モールス信号のように叙情的でしょう
アンティークな受話器の向こう側に潜む世界を
ねえ、聞いてる?
聞こえてる?あなたには…
砂と泥で出来た食卓の
誰も彼も過ぎ去ったあとの溜まり
開け放たれた窓を吹き抜けて遊ぶ風だけが
新しい世界の音を知っている
あのひとは、今日も、どこか遠くを見渡せる高い崖の上にいるのでしょう
かもめの歌に詩人の魂を聞いたような気がして、そのまま日が暮れるまで動けずに居るのでしょう
船を沈める人魚が本当に望んでいるもの
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