まっさらな本当の生まれるところ/ホロウ・シカエルボク
 
ない、そんなことはそこらへんの連中がみんなやってる―おまけに成功例はあまりない―なぜならそれはあまりにも様式としてなりたち過ぎてるからさ―理由のなくなったダンスの振り付けみたいに、ただここでこうするみたいなことだけが馬鹿正直に厳守されているだけさ、本来なら生贄を捧げるべき祭りみたいにさ、意味と目的を失って形骸化してんのさ…生贄っていい言葉だよな、俺は、こうしたことのすべては生贄のようなものだと思ってるんだ、捧げるのさ、えぐり出してさ…誰に?誰に捧げるのかって…?馬鹿なことを訊くね、贄を捧げるのは神様にって相場が決まっているじゃないか…それは俺だけの神さ、俺が投げ出すものには、いつだって俺だけの神が
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