まっさらな本当の生まれるところ/ホロウ・シカエルボク
言えばそいつが詩人なんだ、妙な本にしか載ってないカタカナ語でのべつ幕なし喋りたててさ…余計な口を開く前にひとつでも多く書くことだね、俺に言えるのはそんなことくらいさ、フィールドの外でやいのやいの言っていいのはマネジャーか監督ぐらいのものさ―瞬間は常に存在している、瞬間の呼吸とシンクロすれば、心の中にあるものをそのまま差し出すことが出来る、そこに思考なんてものは必要がない、俺は瞬間に接近したい、常に変化し続けているものに寄り添って、出来る限りの現象を言葉にしたいんだ、同時通訳みたいにさ…リアルタイムにここに刻んで行きたいんだ、そういうスピードが凄く俺を高揚させるのさ、効果的な配列なんて考えたくもない
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