群像/飯沼ふるい
。日曜日の朝、戦争の話をしているテレビを見ていて思った。
それから少しして、母方のじっちやんが骨になった。骨を拾う時のカサカサという音が心地よかった。
みんながすすり泣いているのを見るのがおもしろかった。知らない親戚のおんつぁまが話しかけてくるのが怖かった。
大人が着る服もそこかしこに掛かる幕も骨も白と黒ばかりだった。戦争のテレビを思い出した。
じっちやんは、モノクロからフルカラーに世界が変わるときを生きていたのかと思った。
じっちやんは機関士だったという。
こんなにも目覚ましく色づいた世界にあって、機関車が真っ黒のまんまで、どす黒い煙を吐いてずんずんと突き進んでいたのを知ったとき
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)