術後/草野大悟2
こんな物送ってくるなんて、いったい何を考えているんだろうね、全く」
「そうですか、教授と同級生ですか」
「ま、同級生といっても同じクラスになったこともないし、部活が同じだったということもない。気にする必要はないよ。それより、村中君、君、今後の対応はくれぐれも慎重にな。間違っても謝罪の手紙なんか書くなよな」
「ええ……」
今後、教授を目指すためには、倉田の指示に従う他ない、村中は、改めてそう心に決めた。
夕食時、沙織に話すと、沙織は一瞬顔を曇らせた。
「あなたが決めたことに私は反対はしません。でも、あなたの中に、釈然としないものが蠢いていることも分かっているつもりです。私は、詩集を受
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