術後/草野大悟2
可能になるようにした。
右前頭部を開けると、硬膜が髄膜腫の圧迫により薄くなり、開頭後一部が破損した。
村中は、速やかに硬膜を切開して髄膜腫の摘出にかかった。術前の予想をはるかに上回り、髄膜腫の石灰化が著しい。しかも、硬膜と脳への癒着が顕著である。
脳本体からの髄膜腫のみの除去は不可能、 そう判断した村中は、髄膜腫が癒着している脳本体の一部も一緒に切除することにより、髄膜腫全てを除去することにした。
右脳の膨張がある程度認められたが、髄膜腫を摘出すればすぐに治まると考えていた。
オペ開始後一時間四十分、脳膨張が次第に顕著になってきた。
術中の脳内出血の併発などを考慮し、髄膜腫
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