術後/草野大悟2
チェックし、頭にたたき込んだ。
オペは、執刀医の村中のほか、麻酔医の林、担当医の飯野、看護師四人のチームで行う。
村中は、水色の手術服に着替え、両手を肩の所まで丁寧に洗って、薄いゴム手袋を塡め手術室に入った。
そこには、全身麻酔をかけられた陽子が、ヘッドフレームを装着して手術台で眠っていた。
午前九時四十分、オペ開始。
村中は、陽子の頭部をやや左方向に回転させ、通常どおり無剃毛でイソジンにより消毒し、ドレイピングを行った。
術前の検査で、頭蓋内圧が高いことが予想されている。そこで、右耳介前方ヘアラインに沿って左のこめかみまで皮膚を切開し、右前頭部骨の開放が可能
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