術後/草野大悟2
 
できましたが、これが、時期に遅れた処置とは考えられません。
 病変が描出できない場合、速やかに閉頭し、頭部CT検査を行うという処置を取る場合も考えられますが、もしそのようにしていれば、急性硬膜下血腫の発見は、さらに一時間程度遅れた可能性があり、予後はさらに悪くなったと推測されます。
村中助教が行った手術において、脳腫瘍の程度に関しては、開頭し、硬膜を切開した時点では腫瘍による脳腫脹が認められるのみであり、左脳の硬膜下血腫は存在しませんでした。
 腫瘍摘出中に脳腫脹が強くなり、十一時十五分に血圧上昇などのバイタルサインの変化が確認されています。
 その後、村中助教は、速やかに腫瘍摘出術、
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