術後/草野大悟2
 
よる脳低酸素状態を起こし、さらに、脳腫脹を憎悪させる悪循環を生み出すこととなります。
 脳腫瘍手術の場合、頭蓋内圧のコントロールは極めて重要であり、頭蓋内圧の亢進による脳腫脹、脳ヘルニアは深刻な術中合併症であります。
 申立人の手術では、周術期に急性硬膜下血腫が生じ、これによって頭蓋内圧の上昇による脳ヘルニアが惹起され、障害が残りました。 申立人に生じた左前頭部の急性硬膜下血腫は、村中助教が行った手術において想定できない合併症ではなく、十分に予見可能性を具備していたものでした。腫瘍除去による内減圧を行っても脳腫脹が治らない場合には、速やかに合併症の有無を確認し、硬膜下血腫切除及び出血点の止血措
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