術後/草野大悟2
な。なんで先に僕に言わなかったんだ」
「先生には失礼とは思いましたが、この手の訴えに対処するにはなんといってもスピードと、学内の意思統一が必要不可欠ですから。
それに、顧問弁護士の川上先生は、この手の訴訟を捌くのはお手のものです」
「そう。で、僕に何をしろというんだ?」
「先生には、川上弁護士の指示に従って、無過失の論拠となる医学的見解を資料化して頂くことになります」
「指示に従ってねぇ。ま、仕方ないか」
「そうです、そうして下さい。ただ、申立人は、情報開示請求を行って、既に、手術記録、看護サマリー、MRI・CT・レントゲンのフィルム等一切の資料を入手しています。ですから、調停前にこれ
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