術後/草野大悟2
前田が説明を続けた。
陽子のリハビリには、主治医平井医師、藤木PT(理学療法士)、首藤ST(言語聴覚士)、森下OT(作業療法士)のチームがあたっていた。
リハビリは、可動式リハビリベッドに全身を固定して垂直近くまで起こす立位訓練から始まった。
寝た状態から垂直状態まで台を起こして五分間状態保持。その後水平状態にして五分、これを三セット、血圧、SPO2(血中酸素濃度)の変化を観察しながら行った。
一週間目から座る訓練も加わった。 藤木PTの補助でリハビリ室のベッドに座った陽子は、頭を支えることができず項垂れ、口からは涎を流していた。
口からの摂食を可能にするための首藤S
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