術後/草野大悟2
曲がり、左手首も内側に捻れていた。
右手も母指が第二関節から直角に曲がったまま拘縮しており、その他の指にも拘縮が残っていた。
左足は尖足が極度に進行しており、全く動かなかった。
座位をとること、トイレに行くこと、口から食事を摂ることなどもできなかった。
また、想像力や判断力が著しく低下しており、喋ることもおぼつかない状態だった。
「先生、当院に佐藤さんが入院された当初はこのような症状でした。リハビリの状況に移っていいでしょうか?」
前田が人の良さそうな笑顔を浮かべながら訊ねた。
「ええ、お願いします」
「それでは、具体的なリハビリの進捗状況について説明させて頂きます」
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