親父とわたしと息子/ただのみきや
すっかり気に入ったようで(食べ盛り男子)
家では「父さんのたまご丼」と呼ばれている
いつか息子も自分で作るのかもしれない
てっとり早く安上がり栄養は
バランス抜きなら十分なのだ
親父の実父は腕は良いが喧嘩っ早い家具職人だった
実父が死んだ後 父の母は父とその弟を連れて再婚した
再婚先で息子が二人 娘が一人生まれた
何故か長男は連れ子の父の弟で
親父は実母の弟の家へ養子に出された
そこには男の子がいなかったから
親父の名前は伊藤忠(いとうただし)だったが
養子に行った先の名字が只野だったから
ただのただし
ハンドルネームのような名前になった
親父は勉強が良く
[次のページ]
戻る 編 削 Point(25)