レインドッグ(かすれた鼻歌の寝床)/ホロウ・シカエルボク
雨の音は止まず、俺は今夜も眠り方を忘れて呆然と横たわっている、疲労しているような、それでいて冴えているような奇妙な感覚は、麻痺してしまった日常のタイムテーブルから一時こぼれ落ちた結果なのかもしれない。もしもこの瞬間がいつまでも続くのだとしたら、俺はどんな風にでも言葉を綴ることが出来るだろう…ははん、と俺は自嘲する。冗談じゃない。そんなブッとんだ在り方は趣味じゃない…たとえどんなものが書けるとしても、そんなやり方じゃ書き終えた途端にポックリ逝ってしまうさ、調和を欠いたものは生き続けることは出来ない。大切なのはどれだけ逸脱して見せるのかということじゃない、それをいつまでやり続けられ
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