欲望のドア/ホロウ・シカエルボク
は所詮お定まりの記録ってやつだ、未舗装の道に飛び込んで迷いながら少しずつ知りえたものとは雲泥の差がある、言葉を言葉からしか産み出せないやつら、万物を言葉でしか知りえないやつら、覚えておきなよ、血肉に触れるものはデフォルトで設定されたラインなんかじゃない、それはほんの目安に過ぎない、最も判りやすい特徴、あるいは欠陥でしかない、迷いの森の中で自分だけの足跡を作れ、自分だけしか歩いてこなかった道を誇りに思え、それは憧れを超えるということだ、覚えたことを超えるということだ、知り得てきたものの先に行くということだ、迷いの森の中で目にする同じような景色を延々と、延々と通過しながら、ほんの僅かな違いを心に刻み込
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