欲望のドア/ホロウ・シカエルボク
変わりに
のべつ幕なし喋り続けてすましているのさ
堅牢な壁を外側から突き崩されたら
やつらに出来ることはもうなにも無いわけさ
自動販売機で購入出来る欲望に負けて下らない脳味噌の遊びをやめる
実体を求めないものはどんなに巧妙でも
壁に焼きついた過去に生きていた何かのようなものだ
本当に欲しいものがあるときは見つかるまでそこらじゅうを搔き回すべきさ
欲望に忠実じゃない詩人の声は掠れるだけだ
真夜中、明かりをつけることなしに、窓を開け放ち、冷たい風に震えながら、人気のなくなった路上を、フクロウのように眺めている、夜目の効かない俺が、暗い路の上になにを見る?それはそ
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