さよなら青から/春水八郎
そして眼下のスーパーマーケットには
たくさん人が出入りしている
ビルの屋上にある幾つもの室外機は
風にゆっくりとファンを回し、
その階下の窓の中には、
青い廊下を歩く人の黒い影
この開きつづけている濁った目は、
もうこわれているんだろう
そうぼんやり思って
それははっきりと終わりを教えた
※
とても長いクラクション
※
もうその部屋にいくことはない
戻れない場所が
いくつも増えて
たまにそこを思いだす
きらきらしてる
たとえば故郷に帰った4年間
その前、逢わなかった7年間
少し色合いを変えた4年間
それが思い出というんだよ、と
教え
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)