さよなら青から/春水八郎
 
教えてくれるひとがそばにいた
そこにはもうひとりいたから

戻れない思い出をいくつもつくることが
生きていくことなのかな
まだ手が届くと思っていたものは
それからたった3日で永遠の中に汲みとられた
まるっきり白くて
海のなかで洗われる貝がらのようだ
その海と、ぼくが歩く海岸はまだ
何回も波におかされ、打ち返しながらも
白い境界を夜のうちに消すことをしない
とても、晴れているから
ただ、色はにていて
青色をしている
こちらは澄んだ水のような青だよ
そちらは深い空のような青にみえるね
澄んだこちらの青よりか
さみしい感じが消えたからもう
よかったじゃない
たぶん想像だけど、
もう痛くない
ぼくはとてもあなたのこと、
大好きでしたから
謝りはしませんよ
それでいいかはわからないけど
もう聞こえませんからね

ただお礼と、約束をして      
夏のパラソルの下で
日陰にすわるあなたを見ながら
海でおぼれたあのとき飲み込んだ
涙はたまにでた










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