さよなら青から/春水八郎
こと
※※※
くちを開けていた
あごを動かして息をして
その間隔は長かった
片目は半眼だった、
もう片ほうは開かれ、
瞳の膜はうっすら白く濁り
窓の外の青色をざらざらと映していた
連続する音が点滅する
まだあたたかな手をすこし離し
席を立ちながら窓の外を見ると
よく晴れた街の中、
東へと直線に走っていく
白い電車がみえた
縦横に伸びる道路には
車や原付が走ったり停まったり、
信号が青から赤に変わり
ここと地面とのあいだ
水中ではたくさんの鳩が波を打っていた
電光掲示板にニュースが流れたり
太陽のマークと今何℃なのか?をあらわしたり
そ
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