さよなら青から/春水八郎
 
こにすわる人と防風林の松の木との遠近感
なぜ海に入らないのか
それでどうしてわらっているのか
わからなかった海の上で
わからなくてみていたら
後ろから波をかぶった
貝殻に耳を押し付けたときの深海の音と
ふくれあがって空へ向かおうとする気泡の音
ぎゅっと目をつむる子どもの暗闇に
たしかにそこに浮かんでいたフルカラー





春が、来る前に、失われています
めずらしくあたたかな冬の日は
まだ、春ではありませんでした





もう帰るの

あくしゅ
しよう
またきてね

こまってること
ない?

ほんとに
こまってること
ないの
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