Miz 6/深水遊脚
んは少し心配そうで、優しくてとても真剣な目をしていた。とっさに冗談をいれて交わすことにした。
「そうね。少し待っていて。薫子に聞いてみる。」
「そう来たか。意地悪な子ね。」
少しずるいけれど、薫子の記憶と澄花さんに向き合いたいと考えているいまの私の気持ちを、女同士の親密な関係への興味だと誤解してくれることは都合がよかった。心の奥底まで洗いざらい話したり、話しにくいこともぶつけたりするために、心と体のあらゆるレベルの欲求も解放しあうセックスは、こういうときのコミュニケーションとしては最適にも思えた。正直なところ、セックスそのものへの恐怖や嫌悪感はあった。でもこの場合はよかった。澄花さんの
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