流星群/ホロウ・シカエルボク
 
いた
きみのために流星群を待っているのに


空が曇りがちだったから、きみは不安そうだった
「明日は遅くから雨って言ってたわ」
大丈夫、とぼくは保証する
「ぼくの見た天気予報じゃ流星群は見られるって言ってた」
きみはクスクス笑って
「あなたはいつだって朝の予報しか見てないじゃない」
天気予報なんて、とぼくは異議をとなえる
「そんなに大きく違ったりはしないものだよ」
きみがまたなにかを言おうとして、小さく叫んだ
「見て」
流星群が正面の空に見えた
かぐや姫のおむかえみたいだった
あの、光を見たかぐや姫の年老いた育ての親たちは
どんな思いであんな光を見つめていたのだろ
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