流星群/ホロウ・シカエルボク
 
した


時刻は午前1時をすこし過ぎたところで、そう
その日は特別にそんな時間まで起きていたのだ
どこかからやって来る流星群が
その夜いちばんたくさん見えるってはなしだったから
「まだかな」「まだだよ」
「2時を回るって言ってたよ」「そうなんだ」
起きていられるかな、ときみは不安げに
寝てるといい、とぼくは笑いかける
「かならず起こしてあげる」
「あなたがかならずって約束したときは決まってしてくれないのよ」と
きみは意地悪に言って笑う
なんど、こんな会話をしただろう、そして
あとなんど、こんなふうに出来るのだろう
流星群を待っているのに
来なければいいと思っていた
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