Miz 5/深水遊脚
 
いうふうに、澄花さんはゆっくり話した。
「お互いにいろいろ、話しておかなきゃいけなかったこと、あるね。薫子とのお話が済んだら早くここを出ましょう。あまり長居するとろくなことがないわ。」

「あ、はい。ありがとうございます。」
見当違いな言葉を返した私に澄花さんは穏やかな笑みを返し、そのあと薫子に向かい手を合わせた。私も薫子のほうをみて手を合わせ、目を閉じた。200%のうち100%は動揺を鎮めるため、もう100%はここに来るときいつもそうするように、薫子への罪を償い、許しを乞うため。

 薫子が本当に好きだった相手、それは私だった。遺書に書かれる前、一緒にお喋りをしていたときから気がつい
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