バス停の青年/小川 葉
はないのだが、それ以上に、青年のバスの到来を願う気持ちが強すぎて、少しばかり、しつこい気がした。
「電車、動いてますかね…」
青年が言った、その時。
「あ、来た!」
もう何時何分のものかもわからない、一台のバスが、まるで場違いな霊柩車のように、間抜けにやっと来て、しかしその頼もしさに、私は大人気なく歓喜した。そうして、青年の、気になる言葉を遮った。
バスが止まり、青年に乗車を促す。
すると、
「シニア、ファースト、ですよ」
と、赤い舌を出して笑い、先に乗車させてくれた。内心、シニアとはまだまだで、失礼とは思ったけれど、それもまた、この現実離れした暴風雪の
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