終ノユメ/ただのみきや
 
朝の五時半を少し回ったころでした
六畳の畳が漂流し始めたのです
思わず活けようとしていた椿を咥えましたの
そうしてうんと股を開いて立ち上がりました
初めてですこんな太ももの上まで晒しちゃって
きれいだったのね わたしの脚
そしたら文字が浮き出ていて
何やら難しい漢字とカタカナでシタリとかサレタリとか
そうこうしている間もなく
わたし頭がパッと咲いちゃったみたい
かるめんになってふらりめんこを踊って
本当に若いって素晴らしいことなんだなって
ほら水から上がった動物がぶるぶるってよくやるでしょう
あんな風にできちゃうの嫌な記憶をみんな
《――古のダムが決壊! 》 誰かの声が
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