Miz 1/深水遊脚
 
様子もなく、ごく自然に。

「これでもプライバシーには気を使っているつもりではいるんだ。私たちのしていることは、過去と未来と、この現在をつなぐ思念の糸を辿ること。その力の持ち主を探して行き着いたのがあなただった。そういう訳なんだ。」

「………」

……こらっ……

別の声がした。

……こちらが何者か伝えないままでそんなこちらにしかわからない話し方をされたら、大抵の人は混乱して警戒して怯えるでしょう。そりゃこんな段階で全部話してもらっても困るけれど、自己紹介をもっと自然にできるパターンくらいはその人に合わせて持っていなさい。……

「わかったよ」男は小声で言った。


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