メケ/ただのみきや
おれにレイズさせる
一個のポーンとして摘み上げる
おれはおれを置く刺し違える力もないひとつの捨身の主観として
記憶を啄まれている餌台の上に置かれた生首のア音の口形から
三日前の比喩がムラサキに羽化し問いかける
人ならざるモノへ変化する過程としての言葉の有り様が
滑り落ちる目から耳へ生まれたばかりの蛇がウツボカズラを滑るように
嵐だ吹雪だ人外の祭りだ愛人たちの共演だ火柱だ人柱だ
桜色の網膜を切り裂いて来い!闇詠む夢止み黄泉病む弓呼ぶ意味ヨム意味よ
カステラを切り裂いて時間を切り裂いて断面しなければならない
能面のままキスをする切り裂くカシミヤの騎士として
伝統的な白い餅をうまく
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