当然のこと/はるな
飛ぶときに必要なものがあるとすれば決心ではなくて、飛んでいる「当然」なのだと思う。決心なんて、どれほどもろくて役に立たない(でもそれなりに美しい)だろう。
娘が壁に手を置いて、しゃんと背をのばし立つようになった。それをみてわたしは、彼女の決心よりも、やっぱり当然を感じます。彼女は立つことの当然を獲得しました。目にすることが難しくても、そのさかい目ははっきりと存在する。わたしたちはいつも、“それ以前”と“それ以後”をぼんやりと確認するだけだけれど。
娘の、
爪はペーパーナイフみたいにうすくて美しい。まったくどこもかしこもぴかぴか光って、こんなふうに人間が光るなんて想像もしていなかった。水も光も
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