三番目の彼女(後編)/吉岡ペペロ
朝の慌ただしさの余韻がすこしだけ残っているような気もする。
ルルがいたころは鍵をあけているだけでルルの鳴き声がけたたましかった。
俺がスーツを着替えているあいだルルはずっと風鈴を鳴らした。
いい音色に包まれながらそれには見向きもせずテレビをつけニュースを見ながら夕刊を読んだ。
静かなリビングでテレビをつけて夕刊を読みはじめた。
記事を見てえっと思いテレビからもそれが聞こえて息があがった。
サエコを殺した犯人が捕まったのだ。元恋人だという。去年の9月まで一緒に暮らしていたのだという。それからもサエコは犯人とはたまに会い、犯人宅からじぶんの荷物を引き揚げにゆくと言ってその二日後自宅前に遺体
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