三番目の彼女(前編)/吉岡ペペロ
と俺はサエコとのやり取りをケータイで確かめた。
俺に会いたいだとか大好きだとかいつもありがとうだとか今起きただとかそんなものがびっしりと並んでいた。
俺がサエコを殺すとしたらサエコが邪魔だったからということになる。俺は結婚もしてないし婚約もしてない。サエコには借金もない。こんなことはこれから警察が調べあげるだろう。
腹がへった。
電子レンジに入れたままのスープを思い出した。
それを温めなおして食べることにした。
電子レンジのうえに風鈴を置いていた。
死んだインコが鳴らしていた風鈴だった。
俺はたまにそれを鳴らした。
鳴らすと申し訳ない気持ちになって泣いてしまうのだった。
せめて
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