元日の夜に/草野大悟2
 
な、私は、心の中で舌打ちする。
 それが聞こえたのか、聞こえる訳はないはずだが、龍兵が、任せて下さい、と胸を張った。これでも剣道初段ですから! また胸を張る。
 剣道初段って、いつの話だよ。中学校のころだろそれ、ぶつぶつ呟きながら、一応
「そぎゃんな、頼りにしとるばい」
 と言っておいた。
「お父さんは、日頃えらく強そうなこと仰ってるけど、以外とビビりなんですね」
「修三君、君にだけは言われたくない。んじゃ、そう言う君はどうなんだ、えっ!」
つい感情的になり、熊本弁も忘れてしまう。我ながら情けない。
「よーし、それじゃ、三人だけ入れよう。弱そうなのから選んで」
「それはいい考
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