元日の夜に/草野大悟2
い考えですね」
すかさず修三と龍兵が反応する。
女三人と孫二人は、まったく興味なさそうに世間話とテレビに興じている。
私は、モニターに向かって声をかける。
「田中さん、でしたっけ?」
「はい、田中です」
「田中さん、うち、今子供達が帰省していて手狭になってるんですよね。それでですね、今から私が指定する人だけ三人、家に入って下さい。それでいいですね?」
「ええ、ええ、もちろんです。もちろん構いません」
「そうですか。それじゃ、田中さん、あなたと、あなたの横にいる人と、そうだなあ、あなたの斜め後ろの小さくてか細い人」
「はい、分かりました」
私が玄関のオートロックを外すと
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)