元日の夜に/草野大悟2
 
意のボクシングでパパパッとやっつければいいでしょう」
「あのなぁ、そぎゃん簡単に言うなよ。相手は七、八人はいるとばい」
「ねね、じゃ追い返したら?」
 もう既に顔を真っ赤にした香織が、無責任に言う。
「そぎゃんすっとは簡単たい。ばってんな、なんか連中と話してみたい気も強かつよ」
「もうっ、なにいつまでうじゃうじゃ言ってんの! 適当に二、三人家に入れて話せばいいじゃない」
 ビールを飲みながら亜紀が決めつける。
「それにさあ、男は洋ちゃん一人じゃないんだし。修ちゃんだって、龍くんだっているじゃん。ね」
 ね、と言われた二人は、素早く目を逸らしている。こいつら、まったく当てにならんな、
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